敷地は芦屋山手の阪神間屈指の高級住宅地であり、南面に大きく開け、神戸港から大阪湾迄一望できる高台に位置する。建築形態・自邸の庭・借景の庭等を一体化させた既存の木々に囲まれる心地よい空間が、日々の生活に潤沢な安らぎを与えることを思い描きながら、クライアントの要望を最大限に取り込むよう腐心した。 屋根は軒の出を考慮しつつ段葺き金属勾配屋根とし、山沿いの傾斜に逆らわず、風景に馴染む形態を選択した。外壁は磁芸ボーダータイル(櫛引)横張り、腰や足元は御影石張りとし高級で重厚感を出しつつ、飽きのこない色彩でまとめた。 瀟洒な一軒は、昔からその場所に建っていたかの如く、周囲の景観に馴染んでいる。
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